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人生100年時代を豊かに生きる「有形資産」「無形資産」の作り方
我が国の平均寿命は、男性81.64歳、女性87.74歳と9年連続で過去最高を更新しています。このような統計データを見る限り、近年よく見かける「人生100年時代」は少々大袈裟ではないのか?と感じられる方も少なくないでしょう。
すでに現在は、男性の4人に1人、女性の2人に1人は90歳まで長生きする時代になっています。これからも平均寿命は伸び続け、2040年には男性の約4割が90歳まで、女性の約2割が100歳まで長生きすると想定されています。
そこで今回は、人生100年時代を豊かに生きる「有形資産」「無形資産」の作り方について考えてみたいと思います。
定年退職後の時間は現役時代に匹敵する
私たちの誰もが100歳まで長生きするかもしれない社会は目前に迫っています。定年退職後は「第二の人生」とも呼ばれますが、100歳まで長く生きると、65歳で定年退職した方は35年、60歳で定年退職した方は40年、現役時代に相当するほど長い期間の第二の人生が待っています。多くの方は現役時代以上の「自由な時間」を手に入れることができるでしょう。
第二の人生は、1日のうち仕事に追われていた時間が自由な時間に変化します。新たな学習やボランティアなどやりたいことにも挑戦できますし、趣味に没頭するのも有意義でしょう。そして、「お金」と「健康」も大切です。お金の寿命である「資産寿命」も長ければ長いほど良いですし、自立した生活を送れる「健康寿命」もできるだけ長くありたいものです。日々の生活に彩りを添えられるよう、現役時代から将来必要となるさまざまな資産を育てておきたいものです。
「有形資産」「無形資産」の両方を築く重要性
資産を大まかに分類すると、「有形資産」と「無形資産」に分けられます。
有形資産とは、お金などの金融資産や不動産などの実物資産といった「目に見える資産」。資産形成を始める時期が早ければ早いほど、時間を味方にできるという特徴があります。第二の人生を見越した資産形成の重要性については、多くの方がご存知のことでしょう。
無形資産とは、今は「目に見えない資産」であっても、いずれ有形資産に変わりお金を生み出すことができる資産です。例えば、これまで築き上げてきたスキルや人脈・人的ネットワークなどが、挙げられます。他にも、経験、技術、ノウハウ、資格、知識、友人、家族、ブランド、信頼、口コミ、心身の健康など、あらゆるものが無形資産に該当します。現在のデジタル可視化社会では、SNSなどのフォロワー数も無形資産のひとつです。いわゆるインフルエンサー達の活動を見ていると、無形資産の考え方も少しずつ変化していると感じさせられます。
自ら人生をデザインして100年時代を豊かに生きる
人生100年時代を豊かに生きるには、今までよりも長い期間のライフプラン設計が求められます。そのため、一人一人が「人生をどのように生きるのか」を自らデザインする必要があると考えます。無形資産の多くはすぐにお金には換算できませんが、有形資産と同等かそれ以上に価値があるものです。であればこそ、有形資産と同様に無形資産の運用も欠かせないものではないでしょうか。
現在は、「所有」から「シェア」に変化し「与える人が幸せになる時代」と言われています。人を紹介し意気投合すれば人脈資産の運用です。学びをお金に変えることは知識資産の運用です。スキルを教え収入が増えればスキル資産の運用です。このような形で無形資産を運用していけば、シェアを通じて多くの喜びを与えることができるでしょう。
まとめ
みなさんもこれまでの人生におけるさまざまキャリアを「棚卸し」し、「見える化」してみてはいかがでしょうか。そうすることにより、与えることでお金に換算できる無形資産の多さに気づくことでしょう。情報技術発達に伴う情報量の増加から、現代社会における幸せの価値基準は多様化しています。そのような時代を生きる上で、「無形資産の運用」も欠かさずに行いたいものです。
無形資産は、それ自体にとても価値があります。そして、大きな有形資産をもたらしてくれるかもしれません。有形資産のみならず、無形資産を有効活用することで、心からの幸せを感じながら豊かな人生を歩み続けられることでしょう。
- ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
- ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフであり、コラムは執筆者個人の見解で執筆したものです。